新緑の気持ち良いこの季節に、この春に入った職員さんの歓迎会を行いました。
就業してから数カ月がたち、仕事にも環境にも慣れてきたところです。みんなで和気あいあいとしながら食事をすることができました。会場はコートヤードマリオットのレストランSUBSTANCEです。
新幹線開業から始まり、盛り上がっている新規開発エリアにある高層階のレストランです。素晴らしい展望とおいしい食事をみんなで楽しむことができました。




舌の正しい使い方を知っていますか?
私たちは、自転車の乗り方や運転の運転の方法は誰かに習い、練習して習得します。ですが、生きていくための体の使い方については、なんとなく使っており、適切に使えているかを振り返ることはあまりありません。病気になったり、不調が出て初めて、それを見直すことがあったり、その使い方が間違っていたということに気づかずに、薬やほかの治療法に頼ることがあります。

口の中の疾患にとって、意外と重要なのは「舌の位置と動き」なのです。この舌の位置は、歯並びにとってとても大切です。適切な舌の位置は、舌先が上あごにくっついている状態です。その位置に舌があると、上あごの幅が広くなり、十分に歯が並ぶスペースが確保できるように成長が促されます。
舌の位置が正しいとメリットいっぱい
歯ぎしりや食いしばりにとっても、舌の位置が上にあることは有利に働きます。舌が上にあると、歯をかみしめること自体しにくくなります。自然に歯ぎしり、食いしばりがなくなる可能性が高くなります。すると、それが原因でおこる顎関節の痛みや不調も改善につながっていきます。また、奥歯が大人の歯に生え変わる時期に食いしばりがないことによって大人の歯の頭の部分が十分に出てきて、前歯の噛みこみが見た目も機能的にもちょうどよいものになると考えられます。さらに食いしばりによる、歯槽骨の異常な吸収や、循環不全による歯周病の誘発や歯が割れたり折れたりすることも回避できるので、歯の寿命もぐんとアップします。
舌の位置を整えて筋力アップ
そうして、舌の位置が上に保持されるには、舌自体の筋力が必要になります。多くの現代人は、舌が下に位置しており、筋力アップすることのメリットがあります。大きく口を『あ』『い』『う』と動かしたり、『えー』と舌を前に出す運動をしたり、食事をするときに舌の後ろ側を動かし奥歯を使ってしっかり噛んで食べることをすることで十分に舌の筋肉は育ちます。そして、普段いつでも舌が上あごにくっついている状態が保持できるようになれば、多くの口の中の問題は少なくなります。よく噛めることで、胃腸の調子も改善されます。
口呼吸をする男の子
上あごに舌がくっつけられることにより、「鼻呼吸」がスムーズにできるようになります。鼻は「自然のマスク」と呼ばれ空気の汚れを浄化しきれいであたたかい湿った空気を肺に運んでくれます。そうすることで、体の免疫機能は正常に保たれやすくなります。反対に「口呼吸」になると、冷たく乾燥した空気が直接入ってくるので、体が免疫機能を発動しなければなりせん。また、口の中は水分を奪われることになり乾燥して、唾液による殺菌、消毒作用が働きにくくなり、虫歯や歯周病、口臭につながる可能性が高くなります。また「口呼吸」の場合、筋力が足りず口がポカンと開いてしまします。すると出っ歯や受け口などの噛み合わせのフグ阿合にもつながります。「口呼吸」をしているかどうかの目安として。、唇が乾燥すること、朝起きたときにのどがイガイガするなどがあります。睡眠時にいびきをかいている方も、舌が下がっていることが多いので、舌の筋力をアップすることで改善を見込むことができます。睡眠の質が上がり、生活の質が良くなることでしょう。お口の病気だけではなく、全身の健康につながるので、「鼻呼吸」をすることはおおきなメリットがあります。
口腔機能の維持は健康長寿につながります
このように舌の位置が上に保持され、舌の動きが適切にできるようになること、お年を重ね歯を失う可能性は大幅に減少しますが、もし、失ってしまったとしても、入れ歯を入れなければいけない状態になっても、入れ歯を上手に使える舌や口腔機能が備わっているので、快適に入れ歯を使いこなすことができることにつながります。筋肉の動きがよくなることで、誤嚥性の肺炎を予防することにもつながるので、よくむせるようになった方も試してみる価値はあると思います。また入れ歯がうまく使えない、浮き上がってきてしまうという方は、入れ歯の調整とともに、舌の位置を確認してみましょう。
歯磨きや食習慣の改善とともに、舌の位置・運動を正常に機能させることは小さい習慣かもしれませんが、24時間ずっと行われていることなので、大きく健康に影響を与えます。少し意識してみると意外と大きな改善につながると考えています。
文/歯科医師 樋口 有里子
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歯の矯正をするメリット
歯はきれいに並んで噛み合っていると、見た目がきれいであるということだけではなく、全部の歯がお互いに協力して力を発揮することができます。つまり、小さな力でたくさん物が咀嚼できます。また、汚れが溜まる余分な場所がなくなるので自然と汚れが溜まりにくい上に、歯磨きもしやすく良いことがたくさんあります。
そのため、歯並びが良くない場合、歯を矯正することによって、お口の健康を長く保つことができるようになります。この歯の矯正とは、ひとつひとつの歯に微小な力をかけることで歯の場所や角度を適切に移動・回転して理想的な歯の噛み合わせを作っていく治療のことをいいます。
矯正をお勧めしたい症状
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矯正した方がよい症例として、上顎前突(出っ歯)下顎前突(受け口)叢生(乱ぐい歯、八重歯)開咬(口閉じて奥歯を噛み合わせても前歯が噛み合わずに開いている)が挙げられます。
子供の場合、歯並びを整える上で、顎の成長を利用することをします。また、歯並びに影響する悪い習慣(爪かみや口呼吸、舌の動きや位置の癖)を改善することを治療と並行して行います。
矯正を始める時期はいつがいいの?
歯並びの状態によって開始した方が良い時期が異なります。下顎前突の場合は、遺伝による場合も多いですが、そうでない場合は上顎に成長がピークになる6歳になる前に始めた方が良いことが多いです。取り外しのできる装置で顎の成長を促したり、歯並びに良い影響を与える舌の動きを練習します。下顎の成長は背が伸びるのと同じくらいまで続くので長期に観察する必要があります。大きく下顎が前突する場合は外科的手術を成長期が終わった後にすることで対処します。
その他の不正咬合の場合は8~10歳頃に顎を成長を促し歯のスペースを作っていくことから始めていきます。

歯の矯正はどうやってやるの?
矯正治療は様々な種類があり、予算や治療期間など個人に適した方法を選ぶ必要があります。
①ワイヤー矯正

歯にブラケットとよばれるボタンのようなものを個々の歯に接着固定して、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく手法です。この装置を1か月に1回ほど調整するため通院が必要です。個人差はありますが、おおよそ2年ほどかかります。幅広い症例に適応していて、歯を移動する効果も高い方法です。
装置に食べ物がひっかかり、歯磨きがしにくいため、清掃不良や虫歯のリスクが高くなることや見た目があまり良くないことがデメリットとして挙げられます。また、調整の直後は数日は歯に力がかかるため痛みが伴います。
裏側矯正:歯の裏側に矯正装置を取り付ける方法です。見えにくく見た目は良いですが、しゃべりにくいことや期間が長くかかること、装置が取り付けにくい場所があることがデメリットになります。
②マウスピース矯正:取り外し可能なマウスピースを装着して、歯並びを改善していく方法です。痛みが少なく審美性が担保されるというメリットがあります。食事の際や歯磨きをするときには、取り外すことができますが、一日に20~22時間の装着が推奨されています。期間は個人差があり3か月から2年と幅があります。あまりに歯並びが良くない場合はマウスピースだけでは難しい場合が多く、また、見た目とは別にしっかり歯と歯が嚙み合うようにするには卓越した技術が必要になるので医院選びも慎重になる必要があります。
③セラミック矯正
歯を動かす矯正ではありません。歯の形を一定に整えたい場合に歯を削ってセラミックの被せ物をすることによって、歯の形や大きさ、少しの歯並びの乱れを改善する方法です。短期間で完了するの、最近は人気がありますが、矯正と名前がついていますが、矯正ではありません。健康な歯を削らないといけない、割れたりすることもあるということもあり永久的ではないことを考慮する必要があります。
歯の矯正はどのくらい時間がかかるの?
矯正装置によって歯がきれいに並んだあと、装置を外すことになります。歯は元の位置に戻ろうとする働きがあるので、保定の装置を一定の時間と期間つける必要があります。歯の裏側にワイヤーで固定したり、マウスピースを付けたりします。歯を動かした期間と同期間の2~3年くらいが平均と言われています。

矯正治療は期間が長く、本人の負担も大きく、費用もかさみます。満足、納得のいく治療を行うために事前のカウンセリングをしっかり行い、疑問点を解消しておくことが大切になります。
文/歯科医師 樋口 有里子

保険診療に使われている素材
歯の治療には歯の無くなってしまったところを補うために様々な素材が使われています。場所や形、個人によって何が適しているか判断して素材を選びます。
保険適用で虫歯を詰めるときには、主に2つの素材で詰めます。1つは銀色の金属です。「金銀パラジウム合金」という金と銀とパラジウムなどの金属の合わさったものです。もう1つは白いプラスチック製のレジンと呼ばれる素材です。
①金銀パラジウム合金

金属なので強度が強く、割れにくいのが利点です。黒ずみが起こることもあるけれど経年劣化が起こりにくいです。歯より柔らかく噛み合いの歯をすり減らすことはありませんが、金属がすり減って噛み合わせが乱れることがあります。
虫歯の大きさが大きく嚙む力が多くかかる場合や歯と歯の間の虫歯の時に多く使われます。歯と歯の間は適切な接触圧がないと食べたときに物が歯に挟まりやすくなります。またお口の中でははっきりと目で見えないので模型を作り、個人に適した形につくることでぴったりとあった詰め物を歯科技工士さんに作っていただきます。なので、金属の詰め物を作るときは、『型取り』をして次の治療の時に製作された金属の詰め物をセメントで接着することになります。模型上で作ったものなので、実際の状態と微々たる誤差が生まれるので、歯のきつさや噛み合わせの高さなどを調節してから接着します。金属アレルギーを持つ方には不向きです。また、歯と金属の間は接着材でくっついているだけなので境目から虫歯になることもあるので注意して歯磨きをする必要があります。
歯の全体を覆うかぶせ物の特徴も詰め物と同様になります。
②レジン

色調が自分の歯の色に似ているので、治療したことが分かりにくく見目がそろうことがメリットです。また、虫歯をとったその日のうちに詰められるので治療回数が少なくて済みます。アレルギーの危険性もありません。ですが、プラスチックのため、強度が弱く、強く噛み合う部分に詰めると割れることがあります。また、歯と歯の間の見えにくい部分を口腔内で正確に詰めることは技術が必要で、接触圧や形態を正確に作り出すことも難しいです。また、口腔内の水分を吸収するので細菌が繁殖しやすく、自分の歯との境目に虫歯ができやすくなります。経年変化によって黄色や茶色っぽく変色します。なので、あまり噛み合わせの力がかからない場所やお口の中でも目で見て治療しやすい場所、比較的小さな噛み合いの面の虫歯を詰めることに適しています。
被せ物においては近年、この素材で保険適応できる範囲が広まってきました。条件によっては前から6番目の歯まですべて適応できます。7番目の歯も近々適応になる予定です。ですが、噛む力が強い方や、歯の高さが低い場合は割れてしまう可能性があるので慎重に検討することが必要です。
自由診療に使われている素材

保険適応外の自由診療で使われる素材として、セラミックとジルコニアがあげられます。費用を自分で全額負担する必要があります。歯科医院によって値段が違います。
①セラミック
セラミックの長所として、第一に身体全体にたいして悪い影響を及ぼさないということがあげられます。また、歯と同じ色で見た目もよく経年変化も少なく、強度もレジンより硬いです。ただ、薄いと割れてしまうのでセラミックの部分の厚みを確保するために自分の歯を多く削る必要があることが短所になります。
②ジルコニア
ジルコニアの長所として、色が歯と同じように白く、ダイヤモンドと同じくらいの硬さを持ち、耐久性に優れています。なので、セラミックよりも自分の歯を削る量が少なくすることができます。しかし、割れてしまう可能性があることはセラミックと同じです。また、非常に硬いため噛み合いの歯に対する負担が大きくなることもあります。
どの素材も一長一短です。歯の場所やその人のライフスタイルを考慮して、今の生活で無理のない価格、長い目で見た寿命、メンテナンス法などをそれぞれが理解することが大切です。わからないことがあれば、歯科医やスタッフに相談してきめていただきたいです。
文/歯科医師 樋口 有里子

歯が抜けたときはどうすればいいの?
重度の虫歯や歯周病で歯を失ったしまったときに、その歯を補う治療を行うことができれば、今までと変わらず食事をしたり、発音ができたり、噛み合わせを保つことができます。治療の方法によって、治療期間(通院回数)、費用、メンテナンス方法、装置の寿命が違います。それそれの特徴をよく理解して、自分のお口の状態、希望やライフスタイル、予算に合った治療法を選ぶことが必要になります。自分の希望を伝え、歯科医と一緒に治療法を決めていきます。
どんな治療方法がありますか?
歯を失ってしまった時の治療法として①入れ歯②ブリッジ③インプラントの3つの治療法があります。
①入れ歯(部分入れ歯)

なくなった歯を部分的に補う治療法です。プラスチック製の歯茎に似た土台に人口の歯を乗せたものを、金属のフックで隣の歯にひっかけて固定します。それぞれのお口に合うように型取りをして作成・調整をしていきますと、咀嚼・発音をすることができます。メリットとしては、自分の健康な歯を削らなくてよいこと、最小限の装置で済むこと、保険の適応であれば一般的に費用が安く済むことが挙げられます。デメリットとして、取り外しをする装置のため汚れやすいこと、外して清掃する手間や洗浄剤が必要なことがあります。金属のフックがかかっている歯が虫歯になりやすいことや金属のフックが見えてしまって審美的によくないことも挙げられます。そして、インプラントやブリッジに比べて噛める力が弱いこともデメリットになります。また、歯茎に痛みが出たりするので調整していき、使いやすい入れ歯にしていったり舌感や使用感の違和感に慣れる必要があります。保険適応外の入れ歯で、支えの金属を歯茎の色と同調させたシリコンのような素材でつくり見た目をよくしたものもあります。
②ブリッジ

ブリッジとは失った歯の両側の歯を土台に人工の歯を橋渡しをしてつなぐ方法です。メリットとして取り外しが不要でメンテナンスや使用感が入れ歯に比べ簡単なことや保険適応が可能な症例が多く、インプラントより安価で治療できることが挙げられます。また、入れ歯よりも噛む力を保つことができることもメリットになります。デメリットとして、両隣の歯を削らなくてはならないことやその両隣の歯の負担が大きく歯の寿命が短くなってしまうこと、再治療が必要になる可能性があることが挙げられます。ブリッジの土台の歯に虫歯ができることもあります。そうすると、もう片方に虫歯がなくても全部を作り替えなければならないことや、歯のつなぎ目に汚れが溜まりやすいので清掃に工夫が必要です。
③インプラント

失った歯の場所の顎の骨に歯の根っこの役割のネジを植え込んで固定します。その人口の歯根を土台として、その上に人工の歯を取り付ける方法です。インプラントは保険の適応外になります。メリットとしては取り外しが不要で、自分の歯のような見た目と安定性があり、普段のお手入れも大きく変わりはありません。噛む力も比較的しっかり確保することができます。隣の健康な歯を削ることもしなくてもよいです。デメリットとしては保険適応外であるため費用が高いこと、ネジが定着するのに時間がかかるので治療期間が長いことがあります。人工歯根を埋め込んだ後の固定までの時間(2か月~6か月)や歯茎の形がきれいになおるまでの時間(1週間~3週間)など体の組織が反応して安定するまでの時間が必要だからです。手術そのものの時間は本数にもよりますが1時間程度でそれほど長くはありません。また、顎の骨の状態により施術できないこともあります。骨の質がもろく弱い人や骨の量が少ない場所は人工の歯根の固定が不十分になることが多く、一般的に不向きとされています。比較的年齢の若いうちの骨がしっかりしたときに行う方が成功率が高まります。事前に検査をして施術可能かどうか診断する必要があります。取り付けた人工歯が食事などで緩むこともあるので、人工の歯根に問題がないか、噛み合わせは適切かどうかを定期的に検診すること、インプラントの周りだけではなくお口の中全体を清潔にすることにより、インプラントを長期的に維持できる可能性がぐんと高まります。ですので半年や年に1度の検診を勧めています。近年研究が進み、再生医療により骨の量を増やしながインプラント治療を行うケースも増えてきており、できる範囲が広まってきています。糖尿病や心疾患など内科的な疾患がある場合は、症状がコントロールされていれば可能なこともあるので、主治医の意見も参考にして、総合的に判断する必要があります。
文/歯科医師 樋口 有里子
フレンチレストランのシェピノリさんで竹下歯科の新年会を行いました。繊細なお料理に舌鼓を打ちながら、会話も弾んで、とても良いリフレッシュになりました。


かみ合わせとは

歯は上と下に分かれて、前歯・犬歯・奥歯が向かい合って生えています。その上下の歯がかみ合わさることで、食べ物を食いちぎったり、すりつぶしたりして食べ物を食べることができます。一般的には、噛み合わせたときに上と下の歯がまんべんなく接している状態を噛み合わせがいいといいます。逆にどこかに集中して力がかかったり、まったく力がかかっていない歯があることを噛み合わせがよくないといわれます。
噛む力とその方向について
人間の噛む力(これを咬合力といいます)は、想像以上に大きくて100キロほどの力がかかります。なのでそれぞれの歯が自分の役割である場所でそこにかかる咬合力を負担することが調和のとれた状態で、歯そのものや歯を支える骨も長く快適に使っていくことができます。噛むことに参加できていない歯があるということは、他に過剰に負担がかかっている歯があるということです。するとその歯は、必要以上に疲れてしまって、歯のすり減りが多くなったり、亀裂が入ったり、根っこが割れたりということがおこる可能性が高くなります。
歯は木のように歯の根っこが骨に埋まっています。なので、垂直の真上からかかる力には比較的強いですが、横からや斜めの力には弱いです。台風の横殴りの風で木が倒れることがあるように、咬合力が斜めからかかることで骨が異常吸収してしたり、歯の表面がくさび形にすりへってしまって知覚過敏を起こすこともあります。
歯並びが体に及ぼす影響
また、歯並びは話すことにも関係していますし、見た目にも大きく作用します。歯が標準並んでいることによって、これらのことを標準的にこなすことができます。また、歯が重なりなく並んでいることによって、汚れがたまりにくく歯磨きしやすいというメリットもあります。さらにバランスよくかめるということは、顎の関節の調和がとれ体全体の姿勢やバランスも整いやすいです。少しくらいのズレを適応させる機能は人間には備わっていますが、長期間不調和がおこっていると顎関節に症状が出ることもあります。
良い歯並びにするための生活習慣
現代人は顎が小さい割に歯が大きい傾向があります。歯の大きさは赤ちゃんがお腹にいるときに決まってしまいますし、遺伝の他に何が歯を大きくする原因なのかわからないといわれています。なので、成長期にできるだけ顎を大きくする必要があると考えられます。それには、毎日の習慣としてお口の機能をしっかり動かして使っていくことが、大切だと思います。よく噛んで食事をしたり、いろんな表情をしたり、会話をしたりすることで十分です。マスクでの生活をしているとそれらの機能が低下したり、呼吸がしにくいので成長期のあるお子様は注意が必要です。
悪い舌の位置の例:舌が歯を押してしまいます。 |
また、歯の位置は舌や唇、ほっぺたの動きや圧が均衡のとれた所で安定します。なので、唇の力が弱かったり、鼻で呼吸ができず口がポカンと開いた状態ですと出っ歯になりやすいです。舌の位置も大切で、歯並びの良い人はお口を閉じている状態で舌が上あごにくっついています。舌の下にあるひだが短い人や筋力の弱い人は舌の位置が下がってしまい、舌の先で上下の前歯の間に舌が入り前歯が噛まなくなってしまったり(開咬)、下の歯が前に出てしまったり(受け口)します。小さいお子様ですと動きの変化だけで歯並びもよくなるケースもありますし、矯正をして歯並びを直しても舌の動きの癖を直さないと後戻りが大きくなります。頬杖も時間が長ければ歯を動かす要因となることもあるので見直してみてもよいかと思います。お口のこととはいえ、骨や筋肉で全身はつながっています。姿勢を整えることや、全身運動をすることも骨や筋肉を強化することにつながると思います。
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悪い生活習慣の例 |
文/歯科医師 樋口 有里子

受付のテレビの上にアメリカ口腔インプラント学会の認定書を飾りました。2023年11月にアメリカのラスベガスで行われた授与式にてもらった認定書です。授与式の様子の写真も載せておきますのでご覧ください。

虫歯が重症化する過程
お口の中は菌でいっぱいです。歯の表面の硬い組織は物をかみ砕くだけではなく内側にある神経や血管などを守ってくれています。虫歯が大きくなりその神経に近づき触れてしまうと、神経が菌に感染してしまいます。すると血液が集まってきて菌と戦いますが、菌に対して自分の免疫が負けてしまうと神経は死んでしまいます。その感染した死骸を排除しようと体は働き、歯の根っこの先で炎症を起こします。炎症が続くと膿が産生されて歯茎が腫れてきたり、歯が浮いたような感じがしたり、熱いものを食べると痛みが出たりします。これらが自然と痛みがなくなることもありますが、汚れた歯の中をきれにして空いたスペースを塞いであげることで感染を取り除き、痛みを取り除き、時に抗生剤を飲むことで炎症を抑えます。
根幹治療の概要

これが根っこの治療です。段階として、まず虫歯の部分を取り除き、神経の入っている穴が見えるように歯を削ります。そして、根っこの管から神経を取り除き、膿がある場合は排出させます。根っこの管に殺菌作用のあるお薬をいれて管をきれいにします。1,2週間の間隔で症状が治まるまでお薬を交換し、最終的にゴムのような素材で菌が入ってこないように緊密に封鎖します。なので、根っこの治療は何回か通院してもらうことが必要ですし、根っこの先の膿が大きい場合には治癒に時間がかかったり、症状が全部消えない場合もあります。また、普段は症状がなくても体調がよくないときに症状が発生し痛みが出ることもあります。

根幹治療の難しさ
歯の根っこは針のようにとても細く、奥歯は非常に見にくいことが多いです。また、奥歯にはひとつの歯に3,4本の根っこがある人もいたり、先が曲がっていたり、途中で二つに分かれていたり、個人差がありますが、レントゲンでも確認できないこともあります。症状が治まらない場合には目には見えないレベルでの感染源の取り残しも考えられるので根っこのマイクロスコープで診療されている歯医者さんに診てもらうことをお勧めします。根っこの治療は大変な上、神経を取ってしまうと歯への水分などの栄養分の供給がなくなり、根っこは枯れ木のようになってしまうので、歯の寿命自体が短くなってしまいます。歯科医療従事者としては、できるだけ大きな虫歯は作らないでほしいな、と願っています。また、根っこの先に炎症を起こしにくくするために、疲れはしっかり回復させて日頃の体調管理も重要だなと感じます。

歯の被せ物について
歯の根っこの治療が終わると、壊れてしまった歯の頭の部分を修復する必要があります。根っこを土台として、柱をたててその上に帽子のようにかぶせ物をします。いわゆる差し歯といわれるのはこれのことです。根っこを詰めたあと土台の柱を立てて形を整えた後、型採りをして模型を作り、模型上でぴったりと合ったかぶせ物を作るという流れになります。多くは金属で作られますが、最近は硬いプラスチックの歯の色に近い素材でも歯の場所によっては保険作れるようになりました。保険適応でない審美性の高いものも選ぶことはできます。
神経をとってかぶせ物をした歯も、かぶせ物の下の歯の部分は虫歯になる可能性があります。歯の根っこの部分が虫歯で大きくなくなったり、根っこが割れてしまったらかぶせ物ができずに、抜いてしまわなければならなくなります。ですので、長くご自身の歯を使っていただくために、かぶせ物と歯の境目の汚れはしっかりときれいにしていただきたいと思ってます。
文/歯科医師 樋口 有里子






悪い舌の位置の例:舌が歯を押してしまいます。